特殊な大工

伝統を護る宮大工

宮大工という言葉を耳にした事はあるでしょうか。ご存知の方は少ないと思います。非常に知名度の低いこの職業ですが、実は私たちに貴重な遺産を届けてくれる、とても素晴らしい職業なのです。彼らの仕事は普通の大工仕事に加え、重要な文化財を守る修繕作業から現代風の建物の改築まで、非常に幅広い仕事のスキルと技量をもっています。 彼らに仕事を頼むとなるとどうでしょうか。難しいかと言いますと、やはりその文化を守るお仕事なので、その地域の材料を使うことでしか修繕ができなかったり、時間がかかってしまうことも多いです。中には、1件の仕事が完了するまでに10年から20年かかるという例も珍しくありません。なので、彼らが仕事を受けてくれる物件か、あるいは本当にそれが必要か、材料や時間は大丈夫か、などと様々な制約がかかります。それらをすべてクリアしてようやく、彼らに修繕の依頼をする事が出来ます。

彼らが守る物

たとえば、金閣寺や大浦天主堂のことを個存知でしょうか。そう、それらの文化財が破損ないしは損失した場合にも、彼らの手が必要になります。長年の時を経て失われてきた技術や技法を宮大工たちは大切に持ち続けています。もちろん、遺産といえども手入れは大切ですが、普通に言うそうじや手入れではどうすることもできないのが実際です。ですが宮大工と呼ばれる方々は、それを可能にする技術、技法を伝えていく大切な存在であり、伝統的な文化を守りたい人たちのために、人知れずに数え切れないほどの努力をしていているのです。 たとえその文化という遺産が失われても彼らは立ち上がり、そしてまた次の世代にそれを残すために惜しむ事なくその能力を発揮します。こうして文化と遺産は、宮大工の手によって支えられ、そして長い時をえて私たちに伝えていくのです。